食物連鎖の担い手、グルクンの産卵期規制を

食物連鎖の担い手、グルクンの産卵期規制を

 ここ数年釣り仲間から愚痴が多い”グルクンか少なくなった”、”沖釣りの釣果も今までの半分もない”、”餌のアミが小さくなった”などなど。異常気象、環境汚染、流通の変動、それに資源の乱獲など、原因は色々だと思うが、アングラーにとっては切実な嘆きである。

 グチばかり言っても詮ないこと、今回はどうしたらかつての豊漁に恵まれるか、また楽しい釣りができるか、釣り仲間の皆さんと考えてみたいと思います。

 まず、頭をよぎるのか「食物連鎖」である。つまり、自然界は、弱肉強食の世界だ。人間が、万物の頂点に君臨し、諸々の動植物は、その輩下にある。海はまさにその実験場である。

 小魚がプランクトンを食べ、より大きな魚が小魚を捕獲する。その連鎖の構造になっている。ところが。比較的浅場にいたグルクンか激減している。これを狙ってやってきた大物が、寄り付かなくなる。特にグルクンのように通年できる釣りは、、乱獲の被害を免れない。つり沖縄新聞社主催沖縄釣りクラプ対抗沖釣り大会でも当初、チームヘ八人一組で二百キロ超の釣果があったか、回を重ねるごとに上下の変動か大きくなり、八十キロ台まで下がってきた。最近は多い時で一人5~6キロ、なかには3キロの声も聞かれる。この乱獲については「つり沖縄新聞」でも取り上げられたが、まだ課題として残ったままだ。

 沖縄県は、高級魚といわれるハマダイ(あかまち)アオダイ(しちゅーまち)オオヒメ(まーまち)ヒメダイ(くるきんまち)などのまち類の漁獲か、昭和五十五年以降、十分の一まで落ち込んだとして平成十七年四月から同二十二年三月十一日までの五年間、期間、区域を設定して規制を行ってきた。

しかし効果か上からないため、さらに平成二十六年まで区域も拡大だして延長する事をネットを通して呼びかけている。

 こうしたなか、大衆魚でしかも海の食物連鎖のキーを握るものと思われるグルクンについては、野放し状態である。”たかがグルクン”、”されどグルクン”である。しっかりと連鎖の役目を担っている。

 産卵期は三月末から七月の上旬といわれる。この期間、県内全域で「グルクン禁漁」の合意かできないだろか。約二ヵ月間、他魚種への方向転換かできれば、それこそ翌年は”倍返し”の釣果か期待できるのだか…。遊業者、遊漁者の利益を代表する「県漁業調整委員会」の皆さんに早急にご検討される事を願うものです。

元比謝川釣りクラブ顧問
池原善福

グルクン 

 

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